洗面台の種類を徹底比較|収納式・造作・既製品どれがいい?

毎朝の身支度から、一日の終わりの手洗い・うがいまで、洗面台は私たちの暮らしに欠かせない住宅設備です。だからこそ、洗面台のリフォームは、日々の快適性や満足度を劇的に向上させる大きな可能性を秘めています。
しかし、いざリフォームを検討し始めると、「ユニットタイプ」「システムタイプ」「造作」など、様々な種類があることに気づき、「一体どれが我が家に合っているのだろう?」と迷ってしまう方も少なくありません。デザイン、収納力、掃除のしやすさ、そして予算。考えるべきことが多く、どこから手をつければ良いか分からなくなってしまうのも無理はないでしょう。
この記事では、そんなお悩みを解決するため、洗面台の基本的な種類から、ライフスタイルに合わせた選び方のポイント、そして後悔しないための注意点まで、プロの視点で徹底的に解説します。この記事を最後までお読みいただければ、カタログやショールームで見るべきポイントが明確になり、ご自身の家族にとって本当に価値のある洗面台を選ぶための、確かな知識が身につくはずです。
この記事で得れること
✓ 洗面台の種類
✓ 洗面台の選び方
この記事の内容が少しでも参考になれば幸いです(^^)/
- 1. 1. 洗面台の大分類と基本特徴
- 1.1. 1-1. 既製品(ユニット・システム洗面台)
- 1.2. 1-2. 収納式(キャビネット型 / システム)
- 1.3. 1-3. 造作(オーダー)洗面台
- 2. 2. 比較ポイント — 選ぶときに必ず見る項目
- 2.1. 2-1. 使用人数・収納量
- 2.2. 2-2. 掃除のしやすさ(メンテナンス性)
- 2.3. 2-3. サイズと設置スペース
- 2.4. 2-4. 水栓(蛇口)と給湯仕様
- 2.5. 2-5. 予算とコストの見通し
- 2.6. 2-6. 将来の使い勝手(子育て・高齢化対応)
- 3. 3. 家族構成・用途別おすすめタイプ
- 3.1.1. 3-1. 単身・若いカップル
- 3.1.2. 3-2. 共働き・子育て家庭
- 3.1.3. 3-3. 高齢者がいる家庭
- 3.1.4. 3-4. デザイン重視の住宅(リノベ・注文住宅)
- 4. 4. よくある失敗とその回避策
- 4.1.1. 失敗1:採寸ミスでドアや引き出しが干渉する
- 4.1.2. 失敗2:収納が足りない/取り出しにくい
- 4.1.3. 失敗3:水栓や配管位置が合わない
- 4.1.4. 失敗4:掃除しにくい素材を選んで後悔
- 5. 5. 予算目安(参考)と費用内訳
- 6. 6. 選定→発注までのチェックリスト(施工前)
- 7. 7. まとめ
1. 洗面台の大分類と基本特徴


『ゆきプロ』
まず、洗面台には大きく分けて3つのタイプがあることを理解しましょう。「既製品(ユニット・システム洗面台)」「収納式(キャビネット型/システム)」「造作(オーダー)洗面台」です。それぞれの基本的な特徴を知ることで、ご自身の希望がどのタイプで実現できるのか、全体像を掴むことができます。
1-1. 既製品(ユニット・システム洗面台)

TOTO、LIXIL、パナソニックといった住宅設備メーカーが製造・販売している、洗面ボウル、水栓、鏡、収納キャビネットなどが一体となったパッケージ製品です。最大のメリットは、品質の安定性とコストパフォーマンスの高さにあります。
各メーカーが長年の研究開発で培った技術が詰まっており、水垢がつきにくい素材、掃除しやすい継ぎ目のないカウンター、節水機能付きの水栓など、高い機能性を比較的リーズナブルな価格で手に入れることができます。デザインやサイズ、カラーバリエーションも豊富に用意されており、多くの住宅にマッチする製品が見つかるでしょう。
また、全国のショールームで実物を確認できるため、実際のサイズ感や使い勝手、素材の質感を直接確かめてから選べるのも大きな安心材料です。リフォームで最も多く選ばれている、スタンダードな選択肢と言えます。
1-2. 収納式(キャビネット型 / システム)

収納式洗面台は、上記の既製品の中でも特に収納力を強化したモデルを指します。洗面所は、タオル、化粧品、洗剤のストック、ドライヤー、ヘアアイロンなど、大きさも形もバラバラな物で溢れがちです。これらの物を効率よく、そして美しく収納するために、様々な工夫が凝らされています。
代表的なのは、鏡の裏側がすべて収納スペースになっている**「三面鏡キャビネット」です。歯ブラシや化粧品など、細々したものを隠して収納できるため、カウンター周りを常にすっきりと保つことができます。また、足元にあるキャビネットも、従来は開き戸が主流でしたが、近年は奥の物まで取り出しやすい「引き出しタイプ」**が人気です。体重計をスマートに収納できるスペースが設けられているモデルもあります。
「とにかく収納力を重視したい」「生活感を出さずにスッキリさせたい」という方には、最適な選択肢となるでしょう。
1-3. 造作(オーダー)洗面台

造作洗面台とは、メーカーの既製品を使わず、大工や職人が現場で作り上げる、世界に一つだけのオーダーメイドの洗面台です。最大の魅力は、なんといってもそのデザインの自由度の高さです。
カウンターの素材(木、タイル、モールテックスなど)、洗面ボウルの形や素材(陶器、ガラス、ステンレスなど)、水栓、鏡、照明、収納棚まで、すべてを自分の好みで一つひとつ選んで組み合わせることができます。そのため、家の内装やインテリアのテイストと完璧に調和した、こだわりの空間を実現できます。
また、「ここにコンセントが欲しい」「この隙間にぴったり収まる棚が欲しい」といった、既製品では叶えられない細かい要望にも応えることが可能です。一方で、パーツ選びから設計まで時間と手間がかかり、費用も既製品に比べて高くなる傾向があります。プランニングの段階から、リフォーム会社や設計士と密に連携を取ることが成功の鍵となります。
2. 比較ポイント — 選ぶときに必ず見る項目


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3つのタイプの違いを理解した上で、次に「自分たちにとってはどのタイプが最適か」を見極めるための具体的な比較ポイントを6つご紹介します。これらの項目に沿ってご自身の希望を整理することで、洗面台選びの軸が定まります。
2-1. 使用人数・収納量
まず考えるべきは、「誰が、何を、どれくらい収納したいか」です。朝の忙しい時間帯に家族が同時に使うなら、カウンターが広いタイプや2つのボウルがある**「ダブルボウル」**の洗面台が便利です。

収納するものも具体的にリストアップしてみましょう。
- タオル類: バスタオル、フェイスタオルを何枚ストックするか?
- スキンケア・ヘアケア用品: 化粧水、整髪料、ドライヤーなどの数とサイズは?
- 掃除・洗濯用品: 洗剤や柔軟剤のストック、掃除用具はどこに置くか?
- その他: 歯ブラシ、コンタクト用品、体重計など
これらの量に応じて、必要な収納スペース(鏡裏収納、引き出し、オープン棚など)が決まります。見た目のデザインだけでなく、実際の収納力もショールームでしっかり確認しましょう。
2-2. 掃除のしやすさ(メンテナンス性)

毎日使う場所だからこそ、掃除のしやすさは非常に重要です。チェックすべきポイントは以下の通りです。
- カウンターとボウルの形状: カウンターとボウルが一体成型になっているタイプは、継ぎ目に汚れが溜まらず、さっと拭くだけで綺麗になります。
- 水栓の取り付け位置: 従来はカウンターに水栓が設置されていましたが、最近は壁から水栓が出ている**「壁付け水栓(ハイバックカウンター)」**が人気です。水栓の根元に水が溜まらず、カビや水垢の発生を抑えられます。
- 排水口の構造: 髪の毛やゴミが絡まりにくい構造で、簡単に掃除できるかを確認しましょう。
- 素材: 陶器は傷に強く衛生的、人工(人造)大理石はデザイン性が高く衝撃に強いなど、素材ごとの特性があります。それぞれのメリット・デメリットを理解して選びましょう。
2-3. サイズと設置スペース
洗面台の横幅(間口)は、一般的に600mm、750mm、900mm、1200mmなどが標準サイズです。現在の洗面スペースに収まることはもちろんですが、奥行きと高さも重要です。
特に注意したいのが、ドアの開閉や引き出しを開けた際に、壁や人に干渉しないかという点です。また、洗面台の横に洗濯機を置く場合は、そのスペースも考慮する必要があります。メジャーで測る際は、現在の洗面台のサイズだけでなく、設置可能な空間全体の「幅・奥行き・高さ」を正確に計測し、リフォーム会社に伝えましょう。
2-4. 水栓(蛇口)と給湯仕様

水栓のデザインや機能も、使い勝手を大きく左右します。
- シングルレバー混合栓: 1つのレバーで水量と温度を調節できる、最も一般的なタイプです。
- タッチレス水栓: センサーに手をかざすだけで水が出る非接触タイプ。衛生的で節水効果も高く、特に子育て家庭に人気です。
- シャワーヘッド付き: ヘッドが伸びてシャワーになるタイプは、洗面ボウルの掃除や寝ぐせ直しに便利です。
また、お湯がすぐに出る**「即湯水栓」や、無駄なお湯の使用を抑える「エコハンドル」**機能など、省エネ性能もチェックしておきたいポイントです。
2-5. 予算とコストの見通し
洗面台リフォームの費用は、「本体価格」と「工事費」の合計で決まります。タイプ別のおおよその目安は以下の通りです。
- 既製品(ユニットタイプ): 10万円~30万円
- 収納力の高いシステムタイプ: 20万円~50万円
- 造作(オーダー)洗面台: 30万円~(選ぶパーツや仕様により変動)
工事費には、既存洗面台の撤去・処分費、新しい洗面台の設置費、給排水・電気工事費などが含まれます。壁紙や床(クッションフロア)の張り替えも同時に行う場合は、別途内装工事費が必要です。複数のリフォーム会社から見積もりを取り、内訳をしっかり比較検討することが重要です。
2-6. 将来の使い勝手(子育て・高齢化対応)

リフォームは10年、20年先を見据えて計画することが大切です。将来の家族構成の変化も考慮に入れましょう。
- 子育て期: 小さな子供が自分で手洗いできるよう、踏み台を置くスペースを確保する。チャイルドミラー(低い位置の鏡)が付いていると便利です。
- 高齢期: 車椅子でも利用しやすいよう、カウンターの下にスペースがあるフロートタイプや、座ったままでも操作しやすいレバー式の水栓を選ぶ。
将来にわたって家族みんなが快適に使えるような、ユニバーサルデザインの視点を持つことをお勧めします。
参考事例
3. 家族構成・用途別おすすめタイプ


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ここでは、具体的な家族構成やライフスタイル別に、どのようなタイプの洗面台が適しているかをご紹介します。
3-1. 単身・若いカップル

二人暮らしまでの世帯では、収納量はそれほど多く必要ないケースが多いため、コンパクトでデザイン性の高い洗面台がおすすめです。間口750mm程度の既製品や、カウンターとボウルをシンプルに組み合わせた造作洗面台も人気です。デザインを優先し、オープン棚に好きな小物やグリーンを飾る「見せる収納」を楽しむのも良いでしょう。
3-2. 共働き・子育て家庭

家族の人数が多く、朝の洗面所が混雑しがちなご家庭には、収納力と機能性を両立したシステム洗面台が最適です。ワイドなカウンターやダブルボウルを選べば、複数人が並んでストレスなく使えます。掃除が楽な壁付け水栓や、手が汚れていても操作できるタッチレス水栓も、忙しい毎日を助けてくれる便利な機能です。収納は、細々したものをすべて隠せる大容量のキャビネットタイプが重宝します。
3-3. 高齢者がいる家庭

ご高齢の方がいる、あるいは将来のバリアフリー化を見据える場合は、安全性が最優先です。カウンターの高さを身体に合わせて調整したり、車椅子でもアプローチしやすいように足元にスペースが確保されたフロートタイプの洗面台を選んだりすると良いでしょう。また、力の弱い方でも操作しやすいレバーハンドル式の水栓や、立ち座りの際の支えとなる手すりを設置することも有効です。
3-4. デザイン重視の住宅(リノベ・注文住宅)

家全体のインテリアにこだわりたい方には、造作洗面台が最も満足度の高い選択肢となります。リビングや廊下から見える場所に洗面台を設置する「セカンド洗面」としても、空間のアクセントになります。タイル、天然木、モールテックスなど、好きな素材を自由に組み合わせ、照明や鏡にもこだわることで、ホテルのような上質でおしゃれな空間を演出できます。
4. よくある失敗とその回避策


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ここでは、洗面台リフォームで起こりがちな失敗例と、それを防ぐための対策をご紹介します。
失敗1:採寸ミスでドアや引き出しが干渉する
「新しい洗面台を入れたら、引き出しが壁に当たって全開にできない」「ドアを開けると鏡にぶつかってしまう」といった採寸ミスは意外と多い失敗です。
【回避策】 自分で測る場合は、洗面台の幅・奥行き・高さだけでなく、ドアの開閉スペース、引き出しを最大まで開けたときの寸法、人が立つスペース(通路幅)まで考慮しましょう。最も確実なのは、契約前にリフォーム会社の担当者に**「現場調査」**を依頼し、プロの目で正確な採寸と設置可否の判断をしてもらうことです。
失敗2:収納が足りない/取り出しにくい
ショールームで見たときは十分だと思ったのに、実際に物を入れてみたら収まりきらなかった、という失敗です。特に、奥行きが深い引き出しは、奥の物が見えにくく取り出しにくい「デッドスペース」になりがちです。
【回避策】 リフォーム前に、現在洗面所にある物をすべてリストアップし、「何をどこに収納するか」をシミュレーションしてみましょう。ショールームでは、デザインだけでなく、引き出しの深さや鏡裏収納の棚の高さ調節が可能かなど、収納内部の仕様まで細かくチェックすることが重要です。
失敗3:水栓や配管位置が合わない
既存の給水管・排水管の位置が、新しく設置したい洗面台の仕様と合わない場合があります。この場合、配管を移動させるための追加工事が必要になり、予想外の費用が発生することがあります。
【回避策】 現場調査の際に、リフォーム会社の担当者に給排水管の位置を必ず確認してもらいましょう。見積書に配管工事が含まれているか、追加費用の可能性があるかなどを事前に確認しておくことで、後々のトラブルを防げます。
失敗4:掃除しにくい素材を選んで後悔
デザインに惹かれて選んだ天然木のカウンターに、いつの間にかカビが生えてしまった。おしゃれなボウルにしたけれど、形が複雑で掃除が大変…といった失敗もよく聞かれます。
【回避策】 素材を選ぶ際は、デザイン性だけでなく、耐水性やメンテナンス方法を必ず確認しましょう。特に造作洗面台を希望する場合は、カウンターとボウルの間に隙間(コーキング)ができるため、その部分の掃除が定期的に必要になることを理解しておく必要があります。自分のライフスタイルに合った、無理なく手入れできる素材を選ぶことが後悔しないためのポイントです。
5. 予算目安(参考)と費用内訳

洗面リフォームの総額は、選ぶ製品のグレードと工事内容によって大きく変動します。以下に費用の内訳と目安をまとめました。
- 洗面化粧台本体費用: 5万円~40万円以上
- 工事費(合計): 5万円~15万円程度
- 既存洗面台の撤去・処分費: 1万円~2万円
- 新規洗面台の設置・組み立て費: 2万円~5万円
- 給排水・電気工事費: 2万円~4万円
- 内装工事費(必要な場合):
- 壁紙(クロス)張り替え: 3万円~5万円
- 床(クッションフロア)張り替え: 2万円~4万円
【総額費用の目安】
- 基本的な既製品への交換: 10万円~25万円
- 内装込みでシステム洗面台に交換: 20万円~50万円
- こだわりの造作洗面台(内装込み): 30万円~

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これはあくまで一般的な目安です。正確な費用は、必ずリフォーム会社からの見積書で確認してください。商品ごとの費用を知りたい方は、オンラインでセルフ見積りができる『ゆきプロ精密見積りシミュレーション』をご利用ください(^^)/
6. 選定→発注までのチェックリスト(施工前)


『ゆきプロ』
理想の洗面台リフォームを成功させるため、以下のチェックリストを参考に準備を進めましょう。
- [ ] 設置スペースの採寸: 幅・奥行き・高さを正確に測る。
- [ ] 家族の要望の整理: 誰が一番使うか、デザイン・収納・掃除のどれを優先するか話し合う。
- [ ] 収納する物のリストアップ: タオルやストック品など、何をどれだけ入れるか書き出す。
- [ ] ショールーム見学: 既製品の実物を見て、サイズ感や収納力を確認する。
- [ ] 情報収集: インターネットや雑誌で好みのデザイン(特に造作の場合)を探しておく。
- [ ] リフォーム会社選び: 複数社に相談し、比較検討する。
- [ ] 現場調査の依頼: プロに設置場所の状況を確認してもらう。
- [ ] 見積書の取得と比較: 2〜3社から相見積もりを取り、内容を詳細にチェックする。
- [ ] 契約: 工事内容、金額、工期、保証内容をしっかり確認してから契約する。
7. まとめ
今回は、洗面台の種類と選び方について詳しく解説しました。最後にポイントをまとめます。
- 既製品: コストと機能性のバランスが良く、安定した品質を求める方におすすめ。
- 収納式: とにかく収納力を重視し、スッキリした空間を保ちたい方におすすめ。
- 造作: デザインや素材にこだわり、世界に一つだけの空間を作りたい方におすすめ。
どのタイプにも一長一短があり、「これが絶対に正しい」という唯一の正解はありません。大切なのは、ご自身の家族のライフスタイルを振り返り、「何を最も優先したいのか」という軸を明確にすることです。
この記事を読んで、ご自身の理想の洗面台のイメージが少しでも具体的になったなら幸いです。次のステップとして、まずはメーカーのショールームに足を運び、最新の洗面台がどれほど進化しているかを肌で感じてみてください。そして、具体的なプランニングは、ぜひ私たちのようなリフォームのプロにご相談ください。お客様一人ひとりのご要望を丁寧にお伺いし、数多くの選択肢の中から最適なプランをご提案させていただきます。

『ゆきプロ』
最後までご覧頂きありがとうございます。
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