戸建てとマンション、何が違う?間取り変更の注意点と可能性

「リビングをもう少し広くしたい」「子供の成長に合わせて部屋を分けたい」「家事がしやすい動線にしたい」…。今の住まいに、そんな想いを抱いたことはありませんか? 家族の暮らしの変化とともに、住まいの理想のカタチも変わっていきます。その解決策として非常に有効なのが「間取り変更リフォーム」です。
しかし、いざ間取り変更を考え始めると、「この壁は壊せるの?」「水回りはどこまで動かせる?」といったたくさんの疑問にぶつかります。そして、その答えは、お住まいが「戸建て」か「マンション」かによって大きく異なるのです。
この記事では、間取り変更を検討しているすべての方へ向けて、戸建てとマンションそれぞれの違い、可能性と注意点をプロの視点から分かりやすく解説します。後悔しないリフォームを実現するために、ぜひご一読ください。
この記事で得れること
✓ 間取り変更リフォームの基礎知識
✓戸建て、マンションそれぞれの注意点や可能性
この記事の内容が少しでも参考になれば幸いです(^^)/
- 1. 1. はじめに:間取り変更は「住まいの種類」で大きく変わる
- 1.1. 1-1. 理想の暮らしを阻む「壁」
- 1.2. 1-2. 戸建てとマンション、それぞれの「できること」「できないこと」
- 1.3. 1-3. 後悔しないために知っておきたい構造とルールの基本
- 2. 2. 自由度の違いはどこから?構造と所有権のキホン
- 2.1. 2-1. 戸建て:建物の構造そのものが制約に
- 2.2. 2-2. マンション:「専有部分」と「共用部分」の大きな壁
- 3. 3. 【戸建て編】間取り変更の可能性と注意点
- 3.1. 3-1. 可能性①:壁の撤去・新設で、大胆な空間づくり
- 3.2. 3-2. 可能性②:水回りの自由な移動で、家事動線を根本から改善
- 3.3. 3-3. 可能性③:増築や吹き抜けで、広さと開放感をプラス
- 3.4. 3-4. 注意点:家の安全を守る「抜けない柱・壁」の見極め方
- 4. 4. 【マンション編】間取り変更の可能性と注意点
- 4.1. 4-1. 可能性①:「スケルトンリフォーム」で内装を一新
- 4.2. 4-2. 可能性②:間仕切り壁の変更で、ライフスタイルに合わせた空間へ
- 4.3. 4-3. 注意点①:最重要!「管理規約」で定められたルール
- 4.4. 4-4. 注意点②:動かせないコンクリートの壁と水回りの配管(パイプスペース)
- 4.5. 4-5. 注意点③:窓・玄関ドア・バルコニーは変更できない「共用部分」
- 5. 5. 費用や工期はどう違う?
- 5.1. 5-1. 【戸建て】自由度の高さが費用と工期に影響
- 5.1.1. <費用の目安>
- 5.1.2. <工期の目安>
- 5.2. 5-2. 【マンション】制約と手続きが費用に影響
- 5.2.1. <費用の内訳で注意したいポイント>
- 5.2.2. <工期の目安>
- 6. 6. まとめ:理想の間取りを実現するための第一歩
- 6.1.1. 我が家の「制約」を正しく知ることが成功のカギ
- 6.1.2. まずはプロに相談を。現地調査でわかる「我が家の可能性」
1. はじめに:間取り変更は「住まいの種類」で大きく変わる

1-1. 理想の暮らしを阻む「壁」
家族が集まるLDKが狭く感じる、オンライン会議に集中できる書斎がない、キッチンと洗面所が遠くて家事効率が悪い…。こうした日々の暮らしの悩みは、多くの場合、今の「間取り」が原因です。理想の暮らしを手に入れるためには、物理的な「壁」や、目には見えない「ルールの壁」を乗り越える必要があります。
1-2. 戸建てとマンション、それぞれの「できること」「できないこと」
間取り変更の自由度は、一般的に戸建ての方が高い傾向にあります。しかし、戸建てなら何でもできるわけではありません。一方、マンションは多くの制約がありますが、ルールの中で理想の空間を実現する方法はたくさんあります。それぞれの住まいの特性を理解することが、リフォーム成功の第一歩です。
1-3. 後悔しないために知っておきたい構造とルールの基本
「こんなはずじゃなかった…」という後悔を避けるためには、建物の「構造」と、マンション特有の「ルール」という2つの基本を事前に知っておくことが不可欠です。この知識があるだけで、リフォーム会社との打ち合わせもスムーズに進み、より現実的で満足度の高いプランを立てることができます。
2. 自由度の違いはどこから?構造と所有権のキホン

2-1. 戸建て:建物の構造そのものが制約に
戸建ての間取り変更は、建物全体の構造に左右されます。日本の木造住宅で多い「木造軸組工法(在来工法)」は、柱や梁で建物を支えるため、比較的自由な間取り変更が可能です。一方、「ツーバイフォー(2×4)工法」のように壁で建物を支える構造では、取り払えない壁(耐力壁)が多くなるなど、工法によって制約が異なります。

2-2. マンション:「専有部分」と「共用部分」の大きな壁
マンションリフォームを考える上で最も重要なのが、「専有部分」と「共用部分」の区別です。
- 専有部分:自分自身の所有物で、リフォームが可能な範囲。具体的には、部屋の内側の壁紙、床、天井、内部の間仕切り壁、キッチン設備などが該当します。
- 共用部分:居住者全員の共有財産で、個人が勝手にリフォームできない範囲。建物の骨格となるコンクリートの壁や床、窓、玄関ドア、バルコニーなどがこれにあたります。
この「共用部分」という見えない壁が、マンションリフォームの大きな制約となります。
3. 【戸建て編】間取り変更の可能性と注意点

3-1. 可能性①:壁の撤去・新設で、大胆な空間づくり
リビングと隣の和室をつなげて広々としたLDKを実現したり、大きな子供部屋を2つに分けたりと、壁の撤去・新設によって暮らしに合わせた大胆な空間づくりが可能です。家族構成の変化に柔軟に対応できるのが戸建ての魅力です。
3-2. 可能性②:水回りの自由な移動で、家事動線を根本から改善
キッチンの場所を大きく変えて対面式のアイランドキッチンにしたり、2階にシャワールームを新設したり。配管の経路や勾配を確保する必要はありますが、水回りの位置を比較的自由に移動できるため、家事動線を劇的に改善することも夢ではありません。
3-3. 可能性③:増築や吹き抜けで、広さと開放感をプラス
条件を満たせば、増築によって床面積そのものを増やすことができます。また、天井を抜いて開放的な吹き抜けを設けるなど、平面的だけでなく立体的な空間の広がりも実現可能です。 ※増築には建築確認申請などの法的な手続きが必要になる場合があります。
3-4. 注意点:家の安全を守る「抜けない柱・壁」の見極め方
自由度の高い戸建てですが、建物の安全性を支える柱や壁は絶対に撤去できません。木造住宅の「筋交い」が入った壁や「耐力壁」、鉄骨造の柱などがこれに該当します。見た目では判断できないことも多く、安易に壊してしまうと建物の耐震性が著しく低下し、大変危険です。構造の知識を持ったプロによる正確な診断が不可欠です。

『ゆきプロ』
また2025年の建築基準法改正により、延べ面積500㎡以下の木造住宅など、小規模な住宅の大規模な改修工事に対しての特例が縮小されています。『4号特例の縮小』と言われるものです。『4号特例の縮小』に関して詳しく知りたい方は、下の記事も併せてご覧ください(^^)/
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4. 【マンション編】間取り変更の可能性と注意点

4-1. 可能性①:「スケルトンリフォーム」で内装を一新
マンションリフォームの切り札とも言えるのが「スケルトンリフォーム」です。これは、専有部分の内装や設備をすべて解体・撤去し、コンクリートの骨組みだけの状態(スケルトン)にしてから、全く新しい間取りと内装を再構築する手法です。制約はありますが、新築同様の理想の空間を手に入れることができます。
4-2. 可能性②:間仕切り壁の変更で、ライフスタイルに合わせた空間へ
コンクリートの構造壁でなければ、専有部分内の間仕切り壁は比較的自由に撤去・新設が可能です。例えば、「リビング横の洋室の壁を取り払い、広々としたリビングダイニングにする」といったリフォームは非常に人気があります。
4-3. 注意点①:最重要!「管理規約」で定められたルール
マンションリフォームで最も重要なのが、そのマンション独自のルールである「管理規約」の確認です。リフォーム工事の申請方法や工事可能な時間帯、使用できる床材の遮音等級(例:L-45以下)などが細かく定められています。規約を無視して工事を進めると、トラブルの原因となるため必ず事前に確認しましょう。

『ゆきプロ』
マンションの管理規約に関しては以前の記事で紹介しているので、詳しく知りたい方は併せてご覧ください(^^)/
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4-4. 注意点②:動かせないコンクリートの壁と水回りの配管(パイプスペース)
部屋を区切る壁がコンクリートの構造壁(界壁)である場合、専有部分内であっても壊すことはできません。また、トイレやキッチンの排水管が通っている「パイプスペース(PS)」の位置は基本的に動かせないため、水回りの移動は排水管の勾配が取れる範囲に限られます。

『ゆきプロ』
マンションのキッチンリフォームをお考えの方は、下の記事で注意点など紹介しているので、ご興味があればご覧ください(^^)/
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4-5. 注意点③:窓・玄関ドア・バルコニーは変更できない「共用部分」
窓やサッシ、玄関ドア、バルコニーは、たとえ自分の部屋に付属していても「共用部分」にあたります。そのため、個人の判断で断熱性の高い窓に交換したり、ドアのデザインを変えたりすることは原則としてできません。これらの改修は、マンション全体の計画修繕として行われるのが一般的です。
5. 費用や工期はどう違う?

間取り変更リフォームを検討するうえで、費用や工期は非常に気になるポイントです。戸建てとマンションでは、施工の自由度や現場環境、必要な手続きが異なるため、かかる費用や工事期間にも違いが生まれます。ここでは、それぞれのケースについて詳しく見ていきましょう。
5-1. 【戸建て】自由度の高さが費用と工期に影響
戸建ては構造上の自由度が高いため、壁の撤去、新設、水回りの移動、増築、吹き抜けの設置など、比較的大胆なリフォームが可能です。その分、工事の規模や内容によって費用と工期に大きな幅があります。
<費用の目安>
- 壁の撤去・新設(6〜10帖程度のLDK拡張):約50万〜150万円
- 水回りの移動を伴う間取り変更(キッチン・洗面所など):約100万〜300万円
- 増築工事(6帖程度の部屋増設):約300万〜600万円以上
<工期の目安>
- 小規模な間取り変更:約1〜2週間
- 水回りの移動を含む中規模リフォーム:約3〜5週間
- 増築を含む大規模工事:約1〜2か月
ただし、工事内容を絞り込んだり、既存設備を活かした設計にすることで、コストを抑えることも可能です。設計段階での予算配分が、満足度の高いリフォームにつながります。
5-2. 【マンション】制約と手続きが費用に影響
マンションの場合、共用部分の制限や建物の構造、管理規約によるルールなど、さまざまな制約があるため、工事範囲はどうしても限定されがちです。そのため、戸建てほど大規模な工事は行いにくい反面、必要な手続きを踏んだ上で、可能な範囲でのリフォームを効率的に進めることができます。
<費用の内訳で注意したいポイント>
- 管理組合への申請・承認費用:書類作成や許可取得に関する手間・時間
- 資材搬入・養生費:共用部(エレベーター・廊下)を保護するための費用(例:2〜5万円程度)
- 工事音・振動への配慮費用:防音対策や工事時間の調整
- 設備制限:床材は遮音等級(L-45など)に対応したものを選ぶ必要があり、商品選定の幅が狭まる場合も
<工期の目安>
- 間仕切り壁の撤去・新設:1週間前後
- スケルトンリフォーム:1〜2か月
- 小規模な内装リフォーム:3〜10日程度
また、マンションでは水回りの移動が排水勾配やパイプスペースに左右されるため、大幅な変更には制限がかかることも。あらかじめ建物構造を調査し、管理組合の承認を得るなど、計画段階での準備が工事全体のスムーズさを左右します。

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間取り変更と併せて水回りリフォームをされる方は多いです。水回りリフォームの金額を知りたい方は『ゆきプロ精密見積りシミュレーション』をぜひご利用ください(^^)/
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6. まとめ:理想の間取りを実現するための第一歩

我が家の「制約」を正しく知ることが成功のカギ
戸建てとマンション、それぞれに異なる「可能性」と「制約」があることをご理解いただけたでしょうか。理想の間取り変更リフォームを成功させるカギは、夢を膨らませると同時に、我が家の「制約」を正しく知ることにあります。
まずはプロに相談を。現地調査でわかる「我が家の可能性」
「この壁は抜けるのかな?」「うちのマンションではどこまでできる?」 その答えは、プロが現地調査を行うことで明確になります。図面だけでは分からない建物の状態や構造をプロの目で確かめることで、初めてお客様にとって最適なリフォームプランをご提案できるのです。
私たちは、お客様一人ひとりの理想の暮らしに寄り添い、数多くの実績と専門知識をもとに、住まいの可能性を最大限に引き出すお手伝いをいたします。間取りに関するお悩みやご希望、どんな小さなことでも、ぜひお気軽にご相談ください。

『ゆきプロ』
最後までご覧頂きありがとうございます。
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